地球に溶け込む体験。
「青」という色は、なんでこんなにも惹きつけられ、
胸がしめつけられるほどに美しく、いとしいのだろう。
そして「美しい」と感じると、
なんでこんなにも苦しいほど懐かしい気持ちになるのだろう。
人生はじめての沖縄の四日間の旅は、
とにかく「青」にときめいた毎日だった。
透き通るようなエメラルドグリーンの中、
サンゴのまわりの青い魚やニモと戯れ・・・
とまぁ、ここまでは想定内の沖縄の夢のような時間だったのですが、
さらにこの先、想像をこえる体験をすることに。
伊良部島の中の、とある場所へ連れていってもらった。
そこは「竜の口」とも言われている、とても神聖な場所。
冒険チックな岩場を越えて、たどりついたその場所は、
天然の珊瑚の要塞に囲まれた窪みが
深い深い青の池のようになっていて、
一部海の底が見えない場所から海と繋がっているらしく、
そこから「ごぉ~」とまるで竜の鳴き声のように響いていた。
あんなに深い「青」をこの目で見たのは初めてだった。
さきほどまでのウキウキわくわくテンションとは打って変わって、
胸が苦しいほどの光栄さと、ありがたさと、
そして畏れの気持ちが湧き上がってきた。
「恐れ」ではなく「畏れ」という感情は、
とても必要なものなんだと昔、本で読んだことがある。
大自然への畏敬、
「人間は到底かなわない」とひれ伏す気持ち、
それらがなくなってしまったら人間はおしまいだ、と。
文明が進み、土地を開拓し、
気象や地震までもが操作できるとまで言われている今日の人間の営みが、
一瞬にしてちっぽけなものに思えてしまうほど、
その場所から感じる「自然」は美しかった。圧倒的だった。
すがすがしいほどに、完敗だった。(そもそも戦ってなんていないけど)
さらに光栄なことに、その場所で泳ぐという体験もした。
ひやりとした水に、足を浸し、腰までつかりながら、
「お邪魔します。」と自然に口に出していた。
しばらくゆっくりと泳ぎ、
深い青の中にとけこむ自分を味わう。
静かにお祈りをしていたら、
足元に色とりどりの美しい魚たちが寄ってきた。
その瞬間、
「わたし、ほんとうに、自然の一部なんだ」
ということがストンと腑に落ちた。
普段からお話会や勉強会で、
「人間という存在だって、もともとオーガニックなんです」と人前で語っていたが、
「本当にそうだな・・・」と改めて思った。
頭で知るのと体験するのとは違う。
泳ぎながら、震えている自分に気が付いた。
寒さで震えているのか、畏れと感動で震えているのか、
もはやわからなかったけど。
深い青に浮かびながら、心に誓う。
この「青」をしっかりと胸に保存しよう。
この「青」をしっかりと体内に取り込んで、関西に持って帰ろう。
街中で、本来なかよくすべき人に対してイライラしたり、
本当は仲間なのに敵のように感じてしまったり、
自分が自分から離れかけたときに、この「青」を思い出そう。
この言葉にできない感情を、
言葉にするのがもったいない感情すらも、
あえて言葉にしよう。
覚えておきたいから。伝えたいから。そのことで魂が喜ぶから。
色や感覚やときめきを持ち帰って、日々の生活に生かす。
地球はパラダイスだということをあらためて認識する。
そういう旅ができたことに、心から感謝。